トランプ大統領の就任演説の一部である。
このくだりでトランプは、外国に対する関税や課税で米国市民を豊かにする、と臆面もなく宣言している。だが、関税を払うのは外国ではない。輸入する個人または企業が関税を支払う。だから、トランプがここで言ってるのは、勘違いかウソである可能性が大である。
スピーチライターなどがチェックしたはずだが、選挙戦のころから「一番美しい言葉は関税」などとおかしなことを言い続けたトランプに「それは間違い」と言える人が周囲にいなかったのか??だとすれば裸の王様もいいところ。
誰かがトランプの間違いを指摘しているだろうと思ってネット検索したら、米CNBCテレビのアンカーが「トランプのウソ」を堂々と採り上げていた。日本のテレビや新聞は、やっていないようだが、不思議なほどトランプに素直でいるのはいいかげんにしてはどうか。
もっとも、関税分を丸ごと輸入者が、つまりは消費者が払うとしたら値段が上がりすぎて買い控えが起こる可能性はあり、そんな場合は輸出業者が売値を下げる可能性もあるにはある。だがその場合でも、関税がかかるのは輸入者であり、輸出業者ではない。
今後の展開を見守りたい。消費者の怒りがトランプに向かい、騙されたことに気づくだろうが、あとのまつり。しかし、こんなことぐらい、アメリカのメディアは選挙戦の間にファクトチェックできなかったのか?
不思議でならない。