立憲民主党の枝野幸男元代表は4月12日、さいたま市で講演し、「減税ポピュリズムに走りたいなら別の党をつくるべきだ」と、党内に盛り上がってきた消費減税論を強い言葉で批判した。

物価高や米トランプ政権の強引な関税政策発表を受けて党内で減税の主張が強くなったのに危機感を抱いたようで、減税要求を「参院選目当ての無責任なポピュリストだ」とこきおろした。
給付や減税を実施するために国の借金を増やす政策はインフレを招くという理由で、「私は減税ポピュリズムに走らないまっとうな政党をつくった。野田佳彦代表もそこは大丈夫だと思うので、減税を言う人はあきらめるか別の党をつくるか、どっちだ」と減税論者に離党を求めるまでに厳しい口調だったという。
野田氏は党内の消費税減税論に関し「物価高に対する真剣な意見だ。いろいろな意見を踏まえて決めたい」と佐賀県嬉野市で記者団に語ったが、枝野氏は野田氏に「ぶれないで」と注文をつけたというから、野田氏と枝野氏は党内を消費減税反対派で固めきりたいようだ。
党分裂も辞さない構えはたいしたものだし、立憲民主は枝野氏が立ち上げたという実績への自負もありありだ。しかし、こんなことでいいのだろうか。自民には熟議の国会などと話し合いを呼び掛けておいて、党内ではろくに議論もせずに反対派は出て行けというのは、筋が通らない。
しかも、消費減税については、立憲民主が2021年衆院選で[
「コロナ禍が収束した時点を見据え、税率5%への時限的な消費税減税を目指します。」
といって、公約に掲げていたのではなかったか?時限措置とはいえ、消費減税をおこなうと有権者に訴えていたはずだ。当時の代表は枝野氏自身だった。それをいまは自分の見解が変わり、それと違うからと言って、反対派の追い出しを図るのはいささか乱暴すぎないか。
立憲は、総選挙の敗北後に消費減税策を引っ込めて、2024年総選挙では「給付付き税額控除」という消費税の還付策に主張を切り替えた。その説明もろくにしないままでは有権者もわけがわからないに違いない。減税派をきちんと説得するには、なぜそれがいけないか、なぜ給付付き税額控除がよりましで、それはいつどのように実現できるのか(消費減税を引っ込める言い訳ではないか)などを丁寧に説明することから始めるのが責任ある立場の政治家が採るべき態度ではないか。江田憲司氏など減税派の人たちと公開論争をして説得するなどもっと別の方法はある。
一時はリベラル(リベラル保守?)の旗手として期待が高かったはずの枝野氏のトーンの「切り捨て」口調は、まるで小池百合子氏の「排除します」とダブって聞こえる。残念だ。