女児誘拐に貧困の影ー女児にも男にも
行方不明だった大阪の女児が、栃木県小山市の30代の男に誘拐されて逃げだし、警察に保護された。女児はSNSで「うちに来ない」「女の子の話し相手になって」と誘われて、大阪までやってきた男に連れられて…という経緯だったとか。
女児の家庭は生活が大変だったようだ。母が体調を崩して二度寝している間にじょっじは出かけてゆき、きょうだい二人も妹の失踪に気づかなかったという。
暮らしは厳しかったのだろう。母親が仕事の疲れなどで弱っていたことが家庭の困窮や子供の孤独に影を落としていたのではないか。そこにやさしい声をかけてくる男について行ってしまう危うさが潜んでいた。
他方、誘拐した男のほうにも貧困は影を落としていた。アルバイトで暮らしを立て、母親は別の場所で暮らす父母の介護のため、家を留守にしていた。家は男の一人住まいだったことが、犯行の背景になってしまった。
なんとも悲しい光景だ。青年に快く働ける仕事がなく、少女にはあたたかでゆとりある家庭がない。