天安門事件の悲劇を香港で繰り返さないために、叡智を。
天安門事件から30年が過ぎたが、これが歴史になりきっていないのは、真相が明らかにされず中国人民にはほとんど隠されたままであることによるのではない。
香港でその悲劇が再現される危険が去らないからである。
思い出されるのは、総書記だった趙紫陽が天安門広場に現れ、学生たちに向かってハンドマイクで「みなさんの要求を実現できず申し訳ない」と、涙ながらに語ったことである。テレビニュースで流されたのを記憶している。
香港で言えば、趙氏の役割を演じるのが林鄭行政長官では軽すぎるが…
武力弾圧を回避するには、双方に知恵と勇気が要る。
その叡智が当事者から湧き上ってくるよう望みたい。
それを助けるのに世界のメディア・ジャーナリズムは何ができるか。関係者にはそのことを考えてもらいたいものである。