強大化と弾圧で嫌われる中国指導部
中国に対して嫌いだとする世論が日本で高まっているという調査結果を米国のピュー・リサーチセンターがまとめたという。ネット情報なので、いずれ元データを確認してみたいが、中国嫌いの風潮は米国でも高まっていて、民主党候補者ですら、その風潮を無視できなくなっているようだ。
こうした反中国の空気は、世界のどこにでもあるのだろうが、日本や米国で高まったのには、背景がある。
ひとつにはまず、中国の強大化だろう。国内総生産(GDP)が日本を抜いたのが2010年。それから10年もたたないうちに日本の二倍強になっている。それに応じて軍事力の強化・近代化が周辺諸国に対する圧力になっているが、肝心の中国はそのことにあまりにも鈍感である。
中国からすれば、列強の植民地支配や侵略で苦しめられた苦難の時期を乗り越え、やっと発展の軌道に乗って、弱い大国から本物の大国へと歩んでいるのは歴史の必然だと言う感覚なのだろう。「中国の夢」というやつだ。
しかし、こうした考えもあだとなって、米国の警戒を招き、トランプ流の対中強硬姿勢が米国民の支持を得るようになった。
これは、中国外交の失敗であり、責任は習近平ら中国指導部にある。
ましてや香港のこの事態である。弾圧国家中国を世界に毎日PRしているようなものだ。台湾の統一どころか、ますます独立へ追いやる政策を中国自身がしている。もはや中国指導部はこの大国を率いる術を知らないのではないか?