5000円の領収書の謎を解くには
桜を見る会の前夜祭にかかった費用は、安倍首相によればホテル側が提示し、一人5000円の領収書をその場で参加者たちに渡した、という。
だとっすれば、まずは、その領収書とやらをできるだけたくさん出してほしい。出せなければ、5000円の話は首相のウソだということになる。
しかし、かりに領収書があったとしても、それが一人当たり費
5000円しかとらないので、そこは5000円の領収書だが、取引はそこで完結していないのではないか。
たとえば、一人当たりの費用がほんとうは1万5000円だったと仮定しよう。残りの1万円は、誰かがホテルにはらったのではないか。それが1万円であるか8000円であるか、6000円であるかはわからないが、差額を払った誰かが存在する可能性は否定できない。もしそんなことはないというなら、ホテルの帳簿を全部見せてほしい。いや、そのさい帳簿の改ざんや、裏帳簿の可能性もチェックしなければならないが。
差額の支払いがかりに官邸機密費だったとすれば、まさに税金を使った買収行為といえよう。支払いがもし後援会費だとすれば、政治資金規正法違反の不正だ。
それだけにとどまらない。金の出所がどうであれ、事の本質は買収・饗応に相当する公職選挙法違反ではないのか?
メディア・ジャーナリズムは、この点を厳しく調査報道で突き止めねばならない。