避難のシステム充実を考えなくては
アメリカでは、ニューオーリンズ市一帯でのハリケーン被害の教訓から、住民を一時的に避難させる仕組みを整えた。地域全員が、事前に避難して安全な場所に移動してしまうやり方である。
狭い日本で、そんなことができるのか、という疑問もある。しかし、「ただちに命を守る行動を」と気象庁の役人や、スタジオのアナウンサーに言われても、釈然としない。「どこへ逃げればいいのか?」と、怒鳴り返したくなるひとだっているに違いない。
いやそもそも、強風と大雨になってから、外へ出ることも難しい状態になってから、そういう呼びかけをすること自体、どうかしていないか。
避難施設の質も量も問題だ。テレビは、イタリアでも韓国でも、避難所では家族ごとにプライバシーが守られる空間を提供されると報道していた。ならば日本でも、そうした避難空間の準備を進めよといいたい。安全で快適な避難施設を。平常時には市民活動の場として活用できるものがいい。
政府や自治体の予算の使い方を、防災や安全、安心の観点からチェックしなくてはいけない、とつくづく思う。