あべこべジャーナル  ( ニュースチェック)

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東京は感染爆発の重大局面、と小池知事は言うが、その説明をきちんとしてほしいものだ

stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp

 

「東京は感染爆発の重大局面にあります」と25日に小池知事が緊急記者会見して外出の自粛を求めた。けれどいつまでの話??

 

 そのことはテレビも新聞も言わないでいるけれど、それって変じゃないか。週末の自粛までは聞いたけれど、では来週は??それまでに政府の緊急事態宣言でも出るという内緒話を安倍首相とでもしているのか…

 

小池知事はすでに23日に会見で「事態の今後の推移によりましては、都市の封鎖、いわゆるロックダウンなど、強力な措置をとらざるを得ない状況が出てくる可能性があります。そのことを何としても避けなければならない」と述べていた。

 

知事が首都の「封鎖」にまで言及した背景には、政府の専門家会議のメンバーでつくるクラスター対策班(西 浦博・北海道大学教授が中心)の現状分析と推計があり、これを都に伝えた段階で知事は危険性を考えていたようだ。

 

対策班の推計では、「現状のままでは、東京都では3月25日までに患者51人(うち重篤者4人)、次の7日間(3月26日から4月1日まで)に患者159人(うち重篤者12人)、次の7日間(4月2日から8日まで)に患者320人(うち重篤者320人)」と記され、感染者の増加に対する懸念と対策の必要が指摘されていた。

 

ところが実際には、東京都内の感染者数は23日に16人、24日に17人増え、25日には一気に41人増加してしまった。一日当たりでは過去最多で、「何もしなかった場合」の推計値よりもむしろ高い数字が表面化したことになるわけだ。

 

さあ大変、というわけで25日夜に緊急記者会見した小池知事は「感染の爆発的増加を防ぐために危機意識を持って行動してほしい。イベントへの参加も控えていただきたい」とし、「今は感染爆発の重大局面」と繰り返し述べた。

 

平日はできるだけ自宅で仕事をして夜間外出を控え、週末は不要不急の外出を自粛するよう都民に呼びかけた。「今週に入って感染爆発の懸念がさらに高まっている」「大学は、新学期を授業の開始をできるだけ遅らせてほしい」とも呼びかけた。

 

記者からは「さきの3連休で呼びかけるつもりはなかったか」と厳しい質問が出たが、小池知事は「関西に比べると東京は(感染者の増加推計が)ひとけた少ない数字だったことも判断した。総合的な判断が求められる」と述べ、大阪府兵庫県を合わせた推計では数千人規模の感染者の増加が見込まれるとの試算があり、それに比べると東京は数字が小さいので…と苦しい言い訳。

 

往来自粛を呼び掛けた大阪府などと異なる甘い判断となったことを認めた。