トランプとプーチンが連携？米ロは対立でも、クルド排除で一致の不思議
トランプとプーチンは、裏でつながっている。そう考えた方が理解しやすい出来事がある。シリアに介入したトルコの動きに米ロが相次ぎ干渉したことだ。
ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領は２２日、露南部ソチで会談し、トルコ軍によるシリア北部のクルド人勢力を標的とした軍事作戦の停止を２９日まで延長することで合意した。
トルコ、ロシア両政府は、シリア北部を巡りプーチンとエルドアンが合意した覚書を発表した。それによると軍事作戦の停止期間は２３日正午（日本時間同日午後６時）から１５０時間。この間にクルド人勢力の武装組織「人民防衛部隊」（ＹＰＧ）をトルコ・シリア国境のシリア側３０キロ以南まで撤退させるとともに、停止期間中の国境地帯は、ロシアとシリア両軍の国境警備隊が管理し、ＹＰＧの撤退に責任を持つのだそうな。
覚書には、ロシア側が求めているシリアの「領土の一体性」の維持を支持することも盛り込まれたという。会談後の共同記者会見で、エルドアン氏は合意を歓迎し、「軍事作戦の主な目的は、テロ組織であるＹＰＧの排除とシリア難民の帰還だ。他国の領土を欲してはいない」と強調。プーチン氏は「国境の平穏を守るのに、トルコとシリアが互いに尊重し合い協力することは不可避だ」と語った。
この合意が意味するものは、クルド排除である。ISつぶしに成功してしまえば、もはやクルドを利用する必要はない。むしろ見捨ててでもトルコとシリアに恩を売りたいのがロシア。
かたやトランプは、クルドを見捨てるなと言う議会共和党や民主党の非難を浴びてでも、シリアからの撤兵にこだわりたい。米国民は自分を支持してくれるという読みと確信があるからだろう。実際、世論調査では、シリア撤退は不評ではないようだ。
