コロナに負けた安倍首相。忖度してくれなかったウイルスのせい?
長い引用であるが、LITERAが以下のように疑問を投げかけるのも当然であろう。それほどまでに安倍さんは会食ざんまいだったように見えるからだ。もちろん、酒は少なめにしたいたとか、ステーキは小さく、などと気を使ってた可能性はある。それにしても、だ。
6月19日には、東京・虎ノ門のホテル「アンダーズ東京」のレストラン「ザ タヴァン グリル&ラウンジ」で麻生太郎副総理兼財務大臣、菅義偉官房長官、自民党の甘利明税制調査会長と会食しているが、この店は〈高温のオーブンで香ばしくジューシーにグリルした熟成肉〉(HPより)がウリの店だ。
安倍首相はその翌日、6月20日にも永田町の「ザ・キャピトルホテル東急」のレストラン「ORIGAMI」で秘書官と食事。さらに、6月22日には、丸の内の「パレスホテル東京」の日本料理店「和田倉」で自民党の細田博之・元幹事長と、6月24日には赤坂の日本料理店「たい家」で自民党の二階俊博幹事長、林幹雄幹事長代理と食事している。
安倍首相が「体調に異変が生じ、体力をかなり消耗する状況になっていた」と説明した7月中旬以降もこの会食ざんまいは変わらない。というか、6月よりさらに料理がこってりしている感じさえする。
7月21日には松濤のフランス料理店「シェ松尾 松濤レストラン」で長谷川榮一首相補佐官、前秘書官の鈴木浩外務審議官、秘書官らと食事し、翌日22日には銀座のステーキ店「銀座ひらやま」で二階幹事長、林幹事長代理、自民党の元宿仁事務総長、野球の王貞治氏、俳優の杉良太郎氏、政治評論家の森田実氏、洋画家の絹谷幸二氏と会食。
さらに、7月30日には、丸の内の「パレスホテル東京」内の「和田倉」で自民党の岸田文雄政調会長と会食している。和田倉は日本料理店だが、新聞各紙の報道によれば、安倍首相はここでもステーキを注文。鶏の生姜焼きを注文した岸田政調会長とビール、ウイスキーの水割りを酌み交わしたという。
これがほんとうに「潰瘍性大腸炎の再発の兆候」があり、「体調が悪化」した人の食生活なのだろうか。潰瘍性大腸炎の活動期は、消化しやすく、高たんぱく・低脂肪の大豆製品や鶏肉、魚類などが推奨され、脂肪の多い食品や、油を使用している料理、アルコール類は控えめにするよう指導されるはずなのだが……。
投げ出しかどうかは、その定義にもよるが、やはり格好をつけての投げ出し感は否めないところだ。そうなってしまったのは安倍さんにとっては不本意だろうが、やはり病気とウイルス対策の難しさでつぶれた、という印象は免れない。
憔悴した表情は、病気そのものに加えて、コロナ対策でこれといった対策が打ち出せないジレンマ、そこからくるストレスに耐えられなかったのだろう。
気の毒と言えば気の毒。お気の毒。だけど、それは自ら選んだ道だったわけだ。残念ながら官僚たちと違って、コロナは忖度などしてくれなかった。
だが、正確にいえば、忖度などしてくれなかったのは、コロナだけではない。ロシアのプーチンもそうだ。多額の金をせしめておいて、憲法改正で領土割譲を禁じてしまった。北方領土はロシア領として固定され、安倍政権下でみすみす失われていったということである。それなのにマスコミはそういう事実に向き合わずに隠ぺいしている。マスコミは隠ぺいに加担しているからよく見えないだけなのだ。
忖度しない相手の存在が、病状悪化にどこまで響いたかはわからない。しかし、行き詰まりの原因は実はそうしたところにあったのではないかと思わざるをえない。