「真心をもって真実を語れ」と言った石破演説の迫力だけが光った自民党総裁選候補者演説会
石破だけが総裁の器だ。
3人の演説を聞けば、だれでもそう思うのではないか。
原稿に目もくれず、信念を吐露した。政治家は真実を語ろう、と。
党員投票をなにがなんでも阻止したい人は、こういう石破の迫力を恐れて封じ込めを計ったのだろう。
「真心をもって真実を語れ。それだけが政治家の仕事だ」
石破が27歳の時、みずから車を運転して箱根の勉強会に参加。渡辺美智雄の言葉を聞いて感動したというエピソードで始まる演説。最後までそれは貫かれていた。
日本の無謀な戦争は、真実を隠ぺいして行われたこと。
政治家は、目先の利害にとらわれず勇気をもって真実を語るべきこと…
これらは安倍政権批判にほかならない。
勇気をもって石破は語りかけた。
菅は渋い表情でこれを聞いた。岸田は耳を傾けていた。
続いて立った菅は、みすぼらしい政治家ぶりをさらけ出した。
原稿の棒読み。ああ、こういうひとなんだ。失敗したくないのだろう。
しかし、自分の経歴まで原稿に頼るというのは、しらける。
記者会見でろくに答えない理由もわかった気がする。
答えるとバレバレになってしまうということだ。
そのあとに立った岸田も、情けない姿をさらした。
いちおう自分の言葉で語っているのだが、まるで迫力も真実もない。禅譲を期待して裏切られてもこれか、と哀れを催すふるまいであった。